そだてる・みる・よむ

育児とか海外ドラマとか本とか

フィフティシェイズオブグレイ

「僕と契約してサブミッシブ(従属者)になってよ」フィフティシェイズオブグレイは過去に性的虐待された美しい青年が性のキュウべえになる哀しい話だった。

めちゃめちゃエロくて マミーポルノ(=主に30~40代を中心とした子どものいる女性の間で人気が高い)という評判だったので 自分が30代のマミーになったからにはいつか観てみたいと思っていたところ、Netflixでようやく観ることができた。f:id:burnapple:20180223130427j:image
劇場だとセックスのシーンでモザイクがすごかったらしいけど Netflixはモザイクなかった。ちなみにクリスチャンのクリスチャンは映っていなかった。ちらっとアンダーの毛が映っていた程度。これで全面モザイクって映倫厳しいんだね…

あとセックス場面は クリスチャンがコンドームの袋を口で破くところが無駄にカッコいい。

 

素朴な処女の女子大生アナが若くてイケメンで大富豪でサディストのクリスチャン・グレイにすごく求められる…というあらすじ。まぁ少女コミックにはよくある展開ですな。それを本気で実写化したのが本作。主役が美男美女なので目の保養度がすごい🙏

クリスチャンの契約では クリスチャンがドミナント(支配者)、アナがサブミッシブ(従属者)として 色々な細かい規則が書かれた契約書を手にアナを誘惑する。
規則はセックスの内容だけにとどまらず 睡眠/食事/衣服/エクササイズ/美容 など、日常生活の多岐にわたるもので クソめんどくさい。「急に不機嫌になることがあります」「定期的に褒めると長持ちします」で済んでる西野カナのトリセツがかわいく思えるほど。てかクリスチャンが若くてイケメンで大富豪だから誤魔化されてる感じだけど すごいモラハラじゃないコレ??f:id:burnapple:20180223130448j:image
で、クリスチャンがことあるごとに「僕と契約しないか?」とアナに訊くところが超キュウべえ。ほんとにしつこく何回も訊いてる。
貴重な初版本やらMacのPCやら車やら プレゼント攻撃もすごい。
しかしなかなか首を縦に振らないアナ。クリスチャンと初セックスするまで処女だったとは思えないほど理性がしっかりしているアナ。うまくはぐらかすアナの居場所をどう突き止めるのか 突然現れて “来ちゃった♡”する束縛魔のクリスチャン。(アナにGPSでも埋め込んでるのかな?)アナは処女だったのにも関わらず契約書にアナルフィストをしれっと盛り込む鬼畜なクリスチャン。それを誘惑して焦らしながら項目から削除させるアナ。
契約をめぐる そんな攻防が見どころのひとつ。

 

クリスチャンは15歳から6年間、養母の友人であるミセス ロビンソン のサブミッシブとしてSM嗜好を調教される。友人の息子に手を出すミセス ロビンソン、本当にマジでとんでもない奴だけど クリスチャンは今でもよき友人としてミセス ロビンソンを擁護しているのでストックホルム症候群とも思える。
ストックホルム症候群=加害者と長時間過ごすことで、加害者に対して過度の同情や好意等を抱くこと

アナに鞭打ちしたのは かつてサブミッシブとして性的虐待されたクリスチャンが、今度は自分がドミナントとして振る舞うことによって癒しを得ようとしているようにみえた。虐待の連鎖的な。
クリスチャンに必要なのは契約を結べば快楽のためにという名目でなんでも受け入れてくれるサブミッシブではなく、自分がされた虐待に向き合う手伝いをするためのカウンセラーだよ。

サブミッシブを探すんじゃあない、カウンセラーを雇うんだッ!クリスチャン!!!
など、視聴しながら色々とモラハラについてや被虐待児としてのクリスチャンの幸せについて考えてしまった。
フィフティシェイズシリーズは全三部作で 第3部ではアナとクリスチャンが結婚してアナが妊娠するらしいんだけど、そんなメンタル不安定なクリスチャンと結婚して妊娠してアナが大丈夫か心配してしまう自分にお節介BBAの片鱗をみた1作だった🤗

ロア~奇妙な伝説~ さらわれる女たち

AMAZONオリジナルドラマ ロア~奇妙な伝説~ ep3 さらわれる女たち がめちゃくちゃ胸クソ悪かった件。

チェンジリングの妖精が狙った人間(おもに女や子ども)にそっくりな姿で入れ替わり、誘拐して妖精の世界に連れ去ってしまうという迷信が一部で信じられていたアイルランドにて1895年に起こった実際の事件をもとにした内容。

妻(ブリジット・クリアリー)に稼ぎがありオシャレで活動的なのを気に食わなかった夫が「自分が殺したのは妻ではなく 妻になりすました妖精だ」と尿と灰でできた民間療法のマズイ薬を親族の男連中に押さえつけさせて飲ませて苦しめたあげくに、やっぱり本物の妻ではないといって焼殺してしまう。

ブリジットの最期の台詞は

私はあなたと結婚した女よ、これからもずっと。
でも私はチェンジリングでもあなたの奴隷でもないわ。

妻が自立して楽しんでいたのを気に食わなかった夫が「本当の妻はこんなんじゃない」と妖精を苦しめるふりしてDVの果てに殺したのではないか…と含みを持たせるような救いのない終わりだった。焼き殺した妻の遺体を沼に放置して、「ほんとうの妻」が白馬に乗って戻ってくるのを待っている様子は 罪を軽くするために敢えてそう迷信を信じているふりをして演じているのか、心からそう思っているのかあいまいにしてる感じがまた後味悪い。

この感じどっかで読んだことあるなと思ったら、セーラム魔女裁判だった。

告発された者は、手足を縛られ、重い石をつけられて水の中に放り込まれる。体が水に浮けば、魔女だと証明され、別の方法で処刑される。沈めば無実だということになるが、誰でも沈むに決まっている。

  どっちにしろ殺されるやつ…告発された時点で詰んでる。

セーラム魔女裁判で実際に行われていた魔女を見分ける10の方法 : カラパイア

途中にあった、フランク・バトラーが15歳の少女アニー・オークリーに射撃で負けたけども恋に落ちて結婚して以降は助手となり彼女を“私の天使”と呼んで全国巡業しながら連れ添ったエピソードだけが救いだった。射撃名人のアニー・オークリーは19世紀初の女性スーパースターになった。一部ではフランクはアニーの才能と名声に嫉妬していたと書かれていたみたいだけど、嫉妬してたら“私の天使”なんて呼ばないだろうし アニーが亡くなったあと食事を絶って後を追うようにフランクも亡くなったらしいし本当に大事にしてたんだなぁ。

「さらわれる女たち」は全体的に暗いし胸クソ悪いし救いがないけど、個人的には色々考えさせられたので観てよかった。

火星の人/アンディウィアー

火星の人読んだ。ブログを読んでいるような感じでめっちゃ読みやすい。  

火星の人

火星の人

 

もしサブタイトルをつけるなら「火星の人~マーク・ワトニーの受難~」ってくらい最初から最後までトラブルだらけ。あらすじは

1.マーク・ワトニーが火星に置き去りにされる

2.途中色々なトラブルにあう

3.マーク・ワトニーが助かる

でハッピーエンドだとわかってても 途中のトラブルが毎回絶体絶命すぎてハラハラして最後まで気を抜けない展開。むしろこの状態からどうやって生還するの??の連続。

あと評判通りワトニーくんがとってもポジティブで建設的思考のナイスガイ。
火星に置き去りにされた翌日

“さてと、ひと晩ぐっすり眠ったら、状況はきのうほど絶望的ではないような気がしてきた”とか
“いやもう、すこぶる順調! 生きのびられる可能性が出てきたぞ!”の次の日には
“最悪だ。もう死ぬ!  よし、おちつこう。絶対なんとかなる”

と書いていたり感情表現がストレートで切り替えが早い。ワトニーに自己啓発本書いてほしいレベル。
しかしポジティブな点だけでなくて 最悪の事態に対しても

“医療エリアには緊急時用のモルヒネもある。致死量を超える量だ。正直にいって、飢えてゆっくりと死んでいく気はない。そのときがきたら、楽な方法を選ぶつもりだ”

“もし失敗したら(中略)純粋な窒素を吸って、窒息死するのだ。苦しくはないはずだ。肺には酸素不足を感知する能力はないから、ただ疲れて、眠りに落ちて、死ぬことになるだろう”

 など想定していて シリアスな場面もあったり
暇つぶしのために仲間の置いていった私物をあさって悪態ついてるユーモラスな場面があったり 生き残るために必要な水や酸素や食料を計算するサイエンスな過程だったり 救出にいく仲間の覚悟や友情など、全部のバランスが良かった💮💯

映画版も観たいな。オデッセイって単語1度も出てこなかったけどなんで映画版邦題が「オデッセイ」なんだろ。ミニバンみたい。「火星の人」だと「仮性の人」ってパロディAV作られそうだから??
読んだあとは ふかしたじゃがいもをいっぱい食べたくなることうけあいの一冊(*´﹃`*)