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またの名をグレイス

Netflix またの名をグレイス 観た。原作は「侍女の物語」を書いたマーガレット・アトウッド。もともと「またの名をグレイス」はスゴ本のブログ

「信頼できない読み手」へ導く極上の物騙り『またの名をグレイス』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

で知っていたしアトウッドの「侍女の物語」は妊娠出産の主権に関するディストピアSFですごく面白かったから興味があったところに、ちょうどNetflixでドラマ化されたのでとびついた(Γ °Д°)Γ

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19世紀のカナダで精神科医が若き女殺人犯と面談しているがなかなか真実がわからない。グレイスは真実を語っているのか、それとも聞き手が望むことを語っているだけなのか。最後まで観てもなんだかモヤモヤした終わりかただったけど そこが作者の意図だったのかな🤔観た人がその人なりに考えられるような…個人的にはグレイスの抑えられた怒りが最後ああいった形で現れたんじゃないかと思う。

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グレイスのモノローグが現代にも通じていた。
“本気でおっしゃってる?ご存知ないのね。男性は片付けをしない。私たちは人の分まで掃除する。あなた方は子供と同じだ。後始末まで考えていない。でも仕方ない。そう育てられたのだから。”
(全然家事しないどころか 逆に女の仕事増やすタイプの男、いまの日本でもよく居るよね…。脱いだ靴下そのままにしたり ゴミをそこら辺に放置したり 自分がトイレ掃除するわけでもないのに立ってオシッコしたり)

グレイスの友人メアリーが信じていた男に妊娠を伝えても「簡単に身体を許すような女なんだから、自分の子かどうかわからない」と裏切られたり。妊娠してやっかい払いされた女中ナンシーを雇って結婚せずに都合よく扱ったり。女がいちど身体を許せば軽くみられる一方で、拒めばその貞淑さを良しとする。女に選択肢はなく、売女か淑女かのレッテルを貼られる世界。矛盾のなかで抑圧されていた様子をうまく描写していた。やっぱりアトウッド作品はフェミニズム視点があって好き。

同じ作者であるマーガレット・アトウッドが書いた「オリクスとクレイク」も あらすじを調べたら貴志祐介新世界より」的な遺伝子工学ユートピア+人類滅亡後の世界みたいな感じで超面白そうだから読みたい。「オリクスとクレイク」 はマッドアダム三部作と呼ばれているらしいけど続編の「洪水の年」「マッドアダム」は出版されてから結構経つのに邦訳されてない…せめてわたしに英語力があれば…😩人類滅亡系で滅亡に至るまでの過程の描写が好き。田村由美7SEEDSで竜宮の章とか。

「侍女の物語」はhuluでドラマ化されて今年度エミー賞を受賞したし、2018年に配信されるらしいから超楽しみ~!

 

オリクスとクレイク

オリクスとクレイク